歯科医向けの学術書
『歯列育形成の実際』2012年度版の紹介
『歯列育形成の実際』2012年度版
  • 乳歯列期から継続管理処置を行い、確実に正しい永久歯咬合と美しい配(排)列にするのが歯列育形成です。
  • 歯列弓が成長発育していく過程に歯列育形成のシステムを組み入れることによって、次第に正しく美しい永久歯の配列が出来上がっていく30症例の口腔内写真も掲載されています。
  • 可撤式装置(Plate)は、発育に応じて何回も作り変えることが出来るように、従来のものよりも著しく単純化されています。
  • 乳児は自分から選んで得意になってPlateを入れてくれるために、幼児と両親へのmotivationの方法を記載しています。歯列育形成を行うことで、幼児が整った顔面骨の発育が行われ、将来美しくなるためでなく、その子の将来や能力を発見し、目的が実現できるよう元気づけるためのものでもあります。
  • 幼児の歯列の処置について、全く経験のない歯科医は、低年齢幼児に可撤式装置を使用することが、著しくストレスを感じさせるものではないか?と考えらていた傾向もあります。これについて現代は、低年齢程Plateに慣れやすい、ということが常識化されています。

    2歳、3歳、4歳の子が少しの抵抗もなく、お世話してあげることによって、つらいと感じないで優越感をもち得意になってplateをいれてくれる状態が理解できる本です。

1995年度版『歯列育形成』 A4判 308ページ
2012年度版『歯列育形成の実際』 A4判変型 210ページ
クインテッセンス出版株式会社

一般の矯正歯科医では、このように年齢が低いうちから歯の矯正はやっていないようですが?

従来の歯列矯正は、おとなの歯(永久歯)の歯並びによくない所ができたら、それを治すようになっています。乳歯の歯並びや咬み合わせの対処のについては、咬合誘導という用語が使われています。通常矯正歯科医は、乳歯の咬合誘導は行っていません。

咬合誘導にもいろいろ方法があり、『歯列』は咬合誘導の一種ですが、『歯列』は確実によい永久歯の歯並びにするのが特徴です。

2歳か3・4歳・5歳の幼児に歯並びの治療や管理を行う場合にも、モチベーション(動機)が必要です。これには幼児の対応や幼児との対話に慣れた小児歯科医が行うことができます。